2026年7月の振り返りとサポーターページのご案内
あまりの暑さと忙しさで月後半はへばっておりました。されど日々は続きます。
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今月もいろいろ書いてきました。8月はブローガストということで、もう少し更新頻度が上がるといいなと思います。
WEBノート
先月に引き続き、2026年7月のWebノートを振り返ってみます。
問題は三つあると思います。
まず情報整理として扱う情報の量が増えていくと、直観的なやり方ではまず対応しきれなくなる、ということ。情報量を減らすことも一つの方策だが、多くても機能するようにするためには「地図」が必要になるが、しかしその地図を更新し続けていくためのコスト(手間)はばかにならず、生成AIはおそらくそこに介入してくれるだろうからして、それをどう設計すればいいのかを考えよう、という問題。
次に、だからといって自分の「情報生成」のプロセスに問題が起きているとして、そこに生成AIを導入したらまるっと問題が解決することはありえない、ということ。それは現場のプロセスが混沌とした状態で、DXなどと叫んでも意味がないのと同じで、自分の知的生産プロセスが混沌とした状態でLLM Wikiを導入しても何の解決にもならない。ただ複雑になるだけ。しかし、一時的に問題が解消したかのように感じられる弊害もある。
最後に、情報を効率良く見つけられることだけが情報システムの目的なのか、という点。以外なものや目当てのもの以外のものが目に入る仕組みは知的生産プロセスにおいては意義がある。もちろん、効率良く見つけられることはできて欲しい。しかし、システムがそれだけに従事するならば発想の範囲は狭くなるのではないか。それはたとえば、閉架だけで、入ったらレファレンスの窓しかない図書館のようなものだ。便利かもしれないが、楽しくはない。
現代のデジタル情報システムは、上記の問題を見据えつつ構築していく必要がある気がしますね。
読了履歴
2026年07月02日 『転生程度で胸の穴は埋まらない4 (電撃文庫)』
2026年07月03日 『神を生み出す脳: 「宗教認知科学」入門 (ハヤカワ新書)』
2026年07月05日 『夏帆 The Tale of KAHO』
2026年07月13日 『「偶然」はどのようにあなたをつくるのか: すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味』
2026年07月13日 『科学否定論はなぜ人をひきつけるのか ――地球平面説から反ワクチンまで (ちくま新書 1922)』
2026年07月15日 『マイボディ・オン・ザ・ムーン 上』
2026年07月19日 『マイボディ・オン・ザ・ムーン 下』
2026年07月21日 『私雨邸の殺人に関する各人の視点』
2026年07月21日 『人類学のつくり方』
2026年07月24日 『成瀬は都を駆け抜ける』
2026年07月28日 『BEATLESS 下』
2026年07月31日 『陽の光が消えた町で』
2026年07月31日 『佐々木とピーちゃん』
今月はほぼ小説でしたね。まず、それ以外から。
『神を生み出す脳: 「宗教認知科学」入門 (ハヤカワ新書)』は、人間の認知の仕組みから宗教の「効果」を確認する一冊です。日本人は宗教を過剰に忌避する(あるいはバカにする)ことが多いように見えますが、人類が千年以上も続けてきた活動に何の意味もないわけはありません。生活に寄与する要素があるからこそ生き残っているわけです(ミーム的進化論)。でもってその観点から見ると現代の活動もいろいろ宗教的な要素がある、という話は面白かったです。
『「偶然」はどのようにあなたをつくるのか: すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味』は、人間存在、あるいは意識というものがどれだけこの世界に影響を与えているのかを考える一冊です。言い換えれば、私たちが素朴に感じる因果性はだいぶ大ざっぱなじゃないの、と考え直す本です。このテーマについてはじっくり考えようと思います。
『科学否定論はなぜ人をひきつけるのか ――地球平面説から反ワクチンまで (ちくま新書 1922)』は、いわゆる陰謀論が掲げる「科学否定論」とは一体なんであるのかを考えることを通して、そもそも科学とは何かを考える一冊です。科学哲学の入門書的でもあるわけですね。「科学リテラシー」なるものがあるとしたらそれを育んでくれる本です。
『人類学のつくり方』は、人類学の入門書であるわけですがそれだけに留まらない内容です。個人的に興味があるのが人類学的な知の作り方で、それは私が興味を持っている知的生産の技術・仕事術・ライフハック的なものがいわゆる科学的・医学的な知よりも人類学的な知の在り方に近いだろうな、と予感しているからです。いかに個人的な営みから知を立ち上げるのか。そういうことを考える上でも有用な一冊でした。
『夏帆 The Tale of KAHO』は村上春樹さんの新作です。まあ、すごい。ともかく文章がうまい。そして、作品の構造が批評家泣かせです。表面的に読むと童話的な物語に読めますし、それについてスケールが小さい話だと批判することもできます。でも、それをひっくるめた小説なんですね。いずれどこかで書きたいと思います。
『マイボディ・オン・ザ・ムーン』は上下巻でかなりのボリュームがあり、しかも前評判でさんざん持ち上げられていたので、「さすがにちょっと盛りすぎじゃない?」と穿った見方をしていたのですが、謳い文句に嘘はありませんでした。ただ、SF具合で言うと、そこまでごりっごりのSF感はなく、むしろミステリ的面白さが前面に感じられました。なんにせよこのスケールでお話を展開できるのは見事だと思います。
『成瀬は都を駆け抜ける』は成瀬シリーズの第三回で、一応シリーズ最終巻らしいです。これまでの作品と同様にほっこりしてくる良い話ばかりです。ちょっと京都感が濃い部分もありましたが、全体的に楽しめました。一風変わった人が、周りに影響を与えつつ、しかし周りもまたその人を助けながら生きていく。ヤングアダルト向けの作品ではありますが、それだけではない射程を持っていると思います。
『陽の光が消えた町で』はたいへん素晴らしかったです。SFと言えばSFですが、これまたテクノロジーをゴリゴリに押し出す作品ではありません。やや暗い影を帯びながらも、しかし前を向く話が多いです。ちょっと怖さもあるのがいいですね。
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