デイリーベース方式その4
教条主義からできるだけ離れる
ここまでの流れ:
今回は、ここまでの話をまとめてみます。
起点としてのデイリー方式
まず、デジタルノートの運用においては「デイリー方式」がきわめて有用なスタート地点となる、というのが私の考えです。
それは思いついたことや考えたこと、あるいはやったことなどを記録する際に「時系列」という軸が強力な土台になってくれるからです。私たちは時間の上に存在しているので(あるいは存在と時間は等しいので)、行為には時間が伴います。必ずタイムスタンプがある。よって、「何も考えなくても」時系列に情報を置くことが可能です。分類の整合性みたいなことを考えなくてもいいわけですね。
これは別にデジタルノートにおいて特異的なことではなく、アナログでも日記や手帳は日付で区切りを持っているでしょう。私たちはそれを違和感なく使えています。ある意味で「自然な」情報の起き方なのです。
(逆に言えば、手帳や日記がどうしても馴染めない人は、デジタルノートのデイリー方式も馴染めないと思います。あくまでベル型カーブの「自然さ」に過ぎません)
デイリー方式の多様さ
ところで、ここで目指すのは「書き留めるときに、時系列で区切りがあればいい」です。一般的なデジタルノートにおける「一日一ページ」という想定は絶対ではありません。一週間の日付をまとめるノートがあってもいいし、一ヶ月や一年でも構いません。その内側で「その日のこと」が書ければ、なんでも時系列の受け皿として機能してくれます。肝心なのはその点であって、データの形式として「一日一ページ」になっている必要はありません。
ツールに自由度があると、この辺で遊びやすくなります。つまり、一日一ファイルを試してみてどうもしっくりこなかったら一週間一ファイルにしてみる、という運用ができれば自分にフィットするものを見つけやすいでしょう。あたかもしそれは、手帳売り場にいけば、さまざまなデザインの手帳が売っているのに等しいです。
私たちはつい「一日一ファイル」の中でテンプレートをいじってカスタマイズしがちですが、一つ上の階層でもカスタマイズが可能なのです。運用においては、あまり頭が固くなりすぎない方がいいです。でないと、しっくりくるやり方がなかなか見つけられない可能性があります。
言うまでもなく、生成AIはこのカスタマイズに大きな福音となっています。デザインだけでなく、場合によっては機能レベルでの改造が可能になりつつあるからです。
『生成AIとライフハック: 個人的なコンピューティングにむけて』
私が一連の記事で言いたいことの中心はここにあります。「デイリーノートを教条主義にしないこと」。時系列の受け皿を作る、という要件さえ満たせば、実装はさまざまです。その多様さこそを私は言祝ぎたいので、ここまで詳細に検討してきました。
そのままでもいい
上記のように、時系列の受け皿をつくる方式としての「デイリーノート」があり、そこから派生する「デイリーベース」方式がある、ということも書きました。
最初の記述はデイリーノートに書くにしても、そこから切り出し、別ページにしてリンクでつなげる、という方式です。これができるのがデジタルツールの大きな魅力であることは間違いありません。
しかしこれもまた「デイリーノートに書いたものは、切り出してリンクにしなければならない」となると教条主義に陥ります。別にそのまま置いておいても構わないのです。それで不便を感じなければまったく問題ない。
もちろん、切り出しておいた方が嬉しいものもあります。そういうのはバンバン切り出せばいいし、そのための機能(プラグイン)も導入すればいいでしょう。しかし、それが目的化するのは違っています。言い換えれば、切り出せばいいというものではない。
まとめておけば嬉しいものと、切り出せば嬉しいものを判断することが必要です。
先ほど、時系列の受け皿は「何も考えなくても」置けると書きましたが、ここでは何かを考えなくてはなりません。この違いが重要です。
書き留める際は思考(というよりも判断)は不要です。一方で、それを切り出すときは考えないといけません。なぜならそれは一つの独立したオブジェクトを作ることに相当するからです。なんでもかんでも独立させる=新しいページをつくることは、SEOでスパムなページがたくさん見つかることに相当します。ようは、将来の自分が使いにくくなるだけなのです。
特にデイリーに雑多なものを書き留めている場合ならなおさらその傾向は強まるでしょう。そして、デイリー方式を採用するのはまさに雑多なものを書き留めるためなのです。
もし、すべての記述が独立に値するものであれば、はじめからそれらをページとして作っておけばいいのです。わざわざデイリーに書き込む必要はありません。逆に言えば、デイリーを使うのであれば、独立させるものとそうでないものの判断が必要です。
Obsidianで検索やハッシュタグをうまく使えば、デイリーページにあっても十分「後から見つけること」は可能です。逆に、Cosenseだとページに内に書いてあるだけのものは後から見つけにくくなります(キーワード検索の結果が100件に限定されているので)。また、WorkFlowyではすべての行が独立したオブジェクトになっています。すべての行が、リンクとして呼び出し可能であり、また検索対象になっています。一番ラフな運用をしてもなんとかなるのがWorkFlowyです。
この辺のツールの癖は、運用を考える上で把握しておいた方がよさそうです。
まとめ
以上、デイリー方式についていろいろ考えてきました。
とは言え、最終的に運用自体はシンプルなものになります。ややこしいことはありません。しかし、それらがなぜそうなっているのかを理解しておけば、アレンジしやすいでしょう。
もしデイリー方式の運用でお困りことがあればご一報ください。

