ツールが使えるようになるとはどういうことだろうか
やりたいことができるように
ここまでのアウトライン(抜粋):
前回は、自分が何をやりたいかに合わせて用途をデザインしていく考え方を紹介しました。今回は、関連する話をちょっと考えてみます。
「ツールが使える」という状態
たとえば、「Obsidianが使えるようになる」という状態とはどういう状態を指すでしょうか。
有名なメソッドの原理を理解して、そのためのフォルダとプラグインを揃えて、あとははじめるだけ、という状態でしょうか。
もちろん、そのように考えることはできます。ただ、厳密に言えば、「〜〜(メソッド名)においてObsidianが使える」ようになったという限定を含むものでしょう。「Obsidianが使えるようになる」という”大きい目的語”ではないと思います。
Obsidianを含む汎用的なノートツールは、特定のメソッドのためだけにあるわけではありません。さまざまな用途において、役立たせることが可能です。特定のメソッドをそのツールのアプリオリな役割だと想定してしまうのは、幅を狭めてしまいます。
では、そうした大きい目的語においてツールが使えるようになるとはどういうことでしょうか。
これはわりと簡単で、「こうしよう」と思ったときにそれが実際にできること、あるいはその道筋が立てられることです。
たとえば、「この文字は目立たせたい」と思ったときに太字にできること。「このノートは忘れないようにしたい」と思ったときにPin留めできること。具体的な操作は他のやり方もあると思いますが、なんにせよ「こうすればいい」と思いつけること。これがそのツールが使えている状態だと言えるのではないでしょうか。
簡単に言えば、そのツールの機能を知っているということですが、単にその条項を暗記しているというのではなく、先ほどのようにニーズと結びついた形でそれが思いつける状態になっていることです。たとえるなら、喉が渇いたときに「Can I have a glass of water, please?」と言えるようになること。つまり、ツールの語彙を増やすことです。
語彙を学ぶときと同じで、機能の学習はその時点で必要とは感じていないものもザッとは学んでおく必要があります。そうしておけば、後々新しいニーズが芽生えたときも対応できるようになるからです。逆に言えば、そうした対応はあまり「コスパ」がよくありません。しかしそれが応用力を広げてくれます。
そう考えると、さまざまな人の技法や使い方の情報は、そうしたツールの語彙を増やすことに役立ってくれるだろうと推測できます。ポイントは、それが「正解」ではないという点です。水を要求する言い方がいくらでもあるように、それぞれのメソッドはある要望に応える方法のワンオブゼムでしかありません。
さらに言えば、立派な技法の紹介のおまけで出てくるミニTipsがすごく役立つのも、この点に関係しています。大きなフレームワークだけがあれば「使える」わけではありません。むしろ、ちょっとした操作が「使う」ことの大半を占めています。しかし、そうしたものはあまり直接的な話題になりにくいのです。フランクすぎる言い回しが、厳選1000単語とかには載っていないのと同じです。
小さいレベルの機能から、大きなレベルのフレームワークまで、それらすべてを「自分のやりたいこと」を構成するための素材だと考えれば、自らの用途をデザインしていく上でもたいへん役立つ思います。

