面白い記事を読みました。
「生産性が上がる10の方法」みたいな記事よりも、日常的なObsidian使いにおいてそれぞれの人が気をつけていることなどをまとめた記事の方がはるかに役立つ感じがしますね。
というわけで、私も書いてみます。
フォルダはタイプ分けのみ
私のObsidianではファイルエクスプローラーが表示されていないので、フォルダ分けしても視覚的(認知的)な整理にはほぼ役立ちません。だから基本はぜんぜん分けていませんが、プラグインが自動的に作るものはそのまま放置していますし、画像ファイルを入れておくimageのようなフォルダは一応存在しています。タイプで分ける感じでしょうか。
が、これらがまるっと無くなっても──つまりすべてがフラットに並んでいても──使えるようにしたいのが基本的なイメージです。
表示はできるだけ簡素に
私は目に入るものにすごく注意を奪われるので、不用なボタンなどはすべてCSSで消しています。
こうするといろいろ不便なことも出てきますが、認知的な負荷が減ることのトレードオフとしては悪くないものです。
タブではなくウィンドウを使う
上記のように私は「タブ」を使っていません。新しいページを開くときは常にウィンドウで開いています。
一つには、タブを開くとタブボタンの表示が必要になり、それが視覚的に鬱陶しいからです。もう一つには、それぞれの運動によって横幅や高さを変えたからです。
極力キーボードで操作する
ウィンドウにボタンが表示されていませんし、ファイルエクスプローラーも存在しないので、基本的にあらゆる操作がキーボードベースです。
Obsidianで使えるコマンドは、基本的にcommand + p で探すことができるので、そこから操作をしています。たとえば、今操作しているファイルを、Finderで表示したければ、「Reveal in Finder」というコマンドがあるので、command + p →reve とするか、command + p →finder とすれば目的のコマンドが見つけられる、といった寸法です。
ファイルを開くのもキーボードで
ファイルを開くときも、キーボードからです。
command + Oでダイアログが開くので、そこにファイル名をいれます。これでほぼ大丈夫です。逆に言うと、こうして呼び出せるように意識してタイトルをつけるのが胆です。たとえば私はブックカタリスト用のファイルは「BCブックカタリスト115」のようなタイトルをつけています。こうしておけば、呼び出すときの私がよく使う略語のBCから入力をはじめても、カタカナのブックカタリストから入力はじめても見つけられます。
また、頻繁に使うものは、左側に開いているインデックスページ(home.md)にリンクがあることが多いのでそこから探すこともあります(この場合はマウスを使います)。
基本的には、2〜3ステップもあれば目的のファイルにたどり着けます。ファイルの総数が5000になってもたぶんこれは変わらないでしょう。スケールする運用です。
最低一つのリンクを目指す
ページを単独で作ることはほとんどありません。というか、だいたい新しいページを作るときは、その日のデイリーページに空リンクを作り、それをクリックすることで新規ページを作成するので、必然的に「作成日のデイリーページ」とのリンクは確立されていることになります。
もしそういう作り方をしなかった場合は、どこか別のページとリンクすることを意識します。たいていは左のインデックスページのどこかです。
検索はしない
サイドバーが表示されていないので、サイドバーで行う「検索」はできません。こういう運用にしてからかなりの時間が経っていますが、それで困った経験は皆無です。もし、どうしても検索しなければならない状態になったら、サイドバーを表示してもいいですし、VS Codeでこのvalutを開いてもいいです。でも、そういう事態はほぼ起こりません。
Dataviewはほどほどに
フォルダでの分類の変わりに、フロントマターを与えて、それをDataviewで絞り込むことをやっています。
たいへん便利で、しかも次のアップデートでbaseという機能が使えるようになるらしいですが、結局この機能は「Obsidian」でしか使えません。他のテキストエディタで開いても、
```dataview
list
where type="freewriting"
sort file.ctime desc
```
と表示されるだけでリストは生成されません。一方で上記のリストを手動で作っておけば、(リンク機能があるものであれば)似た運用が可能になります。
というわけで、便利なことはわかっていますが、いつObsidianをやめてもいいようにDataviewには頼りすぎないようにしています。
デイリーに前後の日付のリンクは置かない
細かい話ですが、Obsidian標準のデイリーページに前後の日付へのリンクを置いておられる方は結構いると思いますが、個人的にそのリンクはナビゲーションの効果しかなく、「意味ネットワーク」の生成には貢献していません。
で、Obsidianはショートカットキーで前後の日付に移動が可能です。なので私はデイリーには前後の日付へのリンクは置かないようにしています。でも、別においてはいけないというわけではなく、視覚的に邪魔だから置きたくないという個人的な欲求に従っているだけです。
タグはほぼ使っていない
以前も書きました。タブはほぼ使っていません。フロントターが代わりです。これは、サイドバーで検索しない、というのとも関わっていると思います。
ノート全体のテンプレートは使わない
デイリーページやウィークリーページでテンプレートを使っている方もいらっしゃるでしょうが、私はそういう「ページ全体」のテンプレートは作っていません。デイリーなら毎日、マンスリーなら毎月一から作っています。
そうすることで、使わなくなった項目が消え、新しく必要な項目、あるいは実験的な項目を加えやすくなると感じているからです。私はそういうのを進化論的手法と呼んでいます。
まあ、単純これは私が極めて飽きっぽいからというのもあるでしょう。飽きると嫌になるので、嫌にならないためにテンプレートとは距離を置いています。
一方で、Templaterは便利に使っています。主に、
その週の月曜日から日曜日までのデイリーページのリンクをリスト形式で挿入する
カーソル行を複製する
ページ全体の文字数をカウントし、フロントマターに追記する
という機能を担当するものです。こういうのはめちゃくちゃ便利なので、ショートカットキーを割り当てて使っています。
さいごに
ちなみにこの運用は、私がCosenseとObsidianを両方使っていることが前提です。Obsidianがセルフマネジメント的な使い方に対して、Cosenseは「知」を扱う使い方です。どちらも似た方針を持っていますが、それぞれ独自の役割を担っているから「Obsidianでは〜〜ができなくても構わない」という割り切りができているのがポイントなのでしょう。
というわけで、皆さんも運用の指針などをぜひぜひ教えてください。