前回は「デイリー方式」でスタートする方式を紹介しました。
今回はその続きで、「統合式」でスタートする方法を紹介します。
たった1つのノートから
デイリー方式では、毎日「その日」のノートを作り、なんでもそこに書き込んでいく方式を紹介しました。
今回紹介するのはそのように毎日新しいノートを作るのとはまったく対比的に、たった一つのノートになんでも書き込んでいく方式です。
「は?」
と思われたかもしれません。でも、そこまで奇抜な方法ではないのです。実際一つのテキストファイルに統合的に記入していく方式として One Big Text File(OBTF) というものがあります。
一つのファイルに「deas, thoughts, events, notes, and tasks」をまとめて書いていく。多くの人は、時系列で書き込むようです。
もしそのように書き込むならば、デイリー方式と「本質的」な違いはありません。単に情報がファイル(ノート)によって分断されているかどうかだけです。
デイリー方式では、一日という単位で時系列の書き込みが分節化されており、ワンノート方式ではそうした分節化がなされていない。それくらいの「些細な」違いしかありません。
Obsidianだと大きく違うように感じられるでしょうが、プロセス型アウトライナーであるWorkFlowyであれば、その違いはあくまで「見た目」の問題にすぎないことがよくわかります。
時系列に書いていく方式を採るならば、デイリー方式でもワンノート方式でもやっていることは変わりません。見え方や対象の操作が変わってくるだけです
とは言え、二つはまったく同じではありません。上のWorkFlowyの例からもわかりますが、ワンノート方式だと「日付じゃない場所」に何かを書くことができるようになります。それは、整理を少し難しくする反面、日付を「越える」情報を扱えるようになるメリットがあります。
(こんな感じで、物事を少しだけ抽象的に捉えれば、対象が違ったように見えてくるものです。ノウハウを活かすためには、そうした視点ことが大切です。どちらが正しいのかなんて不毛な議論ではなく、それぞれがどんな役に立つのかを考えましょう)
時系列ではない書きかた
では、デイリー方式と大きく違う書きかた、つまり非時系列の書きかたはどうでしょうか。たとえば、カテゴリごとに分類するという方法ですね。
この場合でもスタートは同じです。まず一枚のノートにすべての書き込みを集めていきます。最初は時系列になるでしょう。上に書き足しても、下に書き足しても構いません(自分がしっくりくる方を選びましょう)。
そうして書き込みを続けていれば、やがて「これとこれは同じ情報を扱っているな」と気がつくことが起こるはずです。たとえば、気になったWeb記事のリンクが複数あったり、来週以降の予定についていろいろ考える書き込みがあったり、といったことです。
そうしたものを見つけたら、それらを一つの場所にまとめてしまいます。
コピペを使ってもいいですし、行移動のショートカットを駆使してもいいでしょう。とにかくグループを作ります。基本的にはこれだけです。
ただし、一ヶ月も使っていると特定の項目がすご〜〜く増えるかもしれません。それはあなたが興味を持ってメモしている対象ということです。であれば、その部分だけを新しいページとして切り出せばよいでしょう。
上記の例でいえば「Webクリップ」をタイトルにしたページを作り、その中身をごっそりと移すわけです。それでかなりすっきりするでしょう。
そこで慌てて、残りのグループもすべて新規ページとして切り出そうとはしないでください。それをやってしまうと混乱がひろがります。総数がそこまで多くないものは、そのままワンノートに置いておきましょう。それで不便はないはずです。
項目が集まってきて、そのまま置いてあったら邪魔だなと感じたものだけ切り出すようにしましょう。そのような項目は、かなりの程度「あなたのカテゴリ」よ呼べるものです。それは実際にメモが集まっていることが実証しています。
つまりここでも、大きな指針は前回と同じように「整理するのは貯めてから」です。カテゴリによる分類を作る場合でも、最初はまず貯めることをしてください。熱心に集めようと思っていた項目が3日くらいで頓挫するなんてことはザラに起こります。そのような「自分が抱いているイメージ」ではなく「実際の自分のログ」をベースにすること。それが「自分なりの情報整理」をはじめる上で大切になります。