mdファイルとhtmlファイル
以前、こんな記事を書きました(メンバー限定です)。
簡単に言うと、それを書くのが生成AIならマークダウンにこだわる必要はないんじゃないか、ということです。
もともとマークダウンは、HTMLタグの記述の簡略化の目的がありました。たとえば、以下のようなHTMLを毎回書くのは面倒なので、
<h2>これは見出し2です</h2>代わりに ## これは見出し2です と書いて、この部分を上の記法に変換すれば楽ですよね、という寸法です。ようはHTMLファイルを作るための昼間成果物だったわけですが、マークダウンのプレビューが発達し、そのためのエディタも揃ってくると、HTMLファイルに変換するのではなく、そのまま表示すればいいんじゃね?となって現代に至ります。
ちなみに、Obsidianの場合、## の記法はH2タグには変換されず、ヘッダー2相当のDiv+Spanに変換されて表示されています。
HTMLタグは作っているが、HTMLの様式にしたがっているわけではないのが面白いところです。
で、本題ですが、いちいちh2タグなんて書いていられないからマークダウン記法が生まれ、それがそのままドキュメントの記法として流通しているわけですが、人間が手を動かして書くのでなければh2タグでもよいわけで、そうするとマークダウンファイル(.md)でもある必要もないのではないか、と流れが逆転してきます。
実際、claude.comに以下のような記事があがっていました。
Using Claude Code: The unreasonable effectiveness of HTML
英語を読むのが面倒な方は日本語版を。
◇Claude Codeの活用:HTMLの驚くべき有効性(日本語訳) | 倉下忠憲の発想工房
マークダウンファイルはテキストエディタで開くと単なるテキストですが、HTMLファイルはブラウザで開くと(皆さんが今読んでいるような)ページとして表示されます。当然、画像やら表やらもきれいに表示できます。
(若い人は知らないかもしれませんが、インターネット上のページでなくても、パソコン内に.htmlファイルがあるなら、それをWebブラウザで開けるのです)
自分がマークダウンファイルをプレビューできるアプリを持っていたとしても、相手がそれを持っているとは限りません。相手が持っていると期待できるのは、メモ帳などのテキストファイルかChromeなどのWebブラウザでしょう。つまり、相手に情報(information)を伝える状況おいては、mdファイルよりもhtmlファイルの方が良いことが多いのです。
HMTLファイルでLessonノート
たとえば、以前以下の記事で紹介した「講義ノート」は、mdファイルで作っています。
Finderでひらけばこんな感じ。
Obsidianで開けばいいかんじですが、
テキストエディタ(Mac標準)で開くと、まあ読めなくはないかな、というぐらいです。
あと、リンクなどがあってもまったく機能しません。つまり、このファイル一式を相手にダウンロードしてもらっても、そこまで使いやすいとは言えなさそうです。
では、この講義ノートをHTMLファイルで作ればどうなるでしょうか。
どれかをダブルクリックしたら、Webブラウザが開きます。
ブラウザなのでリンクも使えます。
講義ノートとしては過不足はなさそうです。
もちろん、HTMLになったことで、中身をテキストエディタで開くとごちゃごちゃしています。
こういうのが嫌だからマークダウンが使われているわけですね。でも、自分が直接編集しないなら別にこれでもいいわけです。見た目、共有、そしてScriptなどの動的な要素を加味したときに、ドキュメントの共有において.htmlファイルを作るのは十分な選択肢になるでしょう。
デジタルならではの行き来
とは言え、mdファイルは今後不要になる、みたいなエキセントリックな話まで進む必要はありません。そもそもmdファイルとhtmlファイルはつながってきた歴史があるので、別に排他的ではないのです。
実際私は、上記のHTMLファイル群を、もともとあったmdファイルから(Pandocの変換を通して)生成しました。ようは自分が手元で扱うのはmdファイルで、共有用にはHTMLファイルを生成する、という二段構えも可能なわけです(静的サイトジェネレーターを使うと、これと同じ構図になります)。
ただし、生成AIに頼んで情報を保存してもらい、その情報は生成AIしか編集せず、人間はただ見るだけという状況においては、mdファイルの「手軽さ」はメリットにはならず、むしろ表現力不足が目につくので、他の方法も検討したほうがよく、特にClaudeはアーティファクトとしてHTMLを作るのがかなり得意なのでそれでもいいですよね、というところは言えると思います。
「自分は読むだけ」という状況ならば、「生成AIにデータを作ってもらい、それを閲覧するためにObsidianを使う」みたいなことはしないでよく、ただWebブラウザさえあればよくなります。file over appですね。










