Cosenseは、wikiであり、リンクベースのデジタルノートです。
なので、従来的な「情報の発見方法」とは違ったアプローチが使えます。
従来的な発見方法とは、
情報を階層構造で整理し、それを頼りに目視で探す
全文を対象に検索する
のこと。
こうした方法は、以前までのデジタルツールでは一般的でしたが、Cosenseは違います。というか、こういう方法が(あえて)使えないようになっています。
では、どうやって情報を発見するのか?
実際的な場面を念頭に考えてみましょう。
タイトルでたぐり寄せる
たとえば、ブックカタリストというポッドキャスト収録のために作っていたメモを取り出そうとする状況を考えましょう。
従来方式であれば、まず「プロジェクト」という項目を探し、その中から「ブックカタリスト」を見つけ、さらに「093回」のような項目を見つけることになるでしょう。項目の数が少なければたいした問題にはなりませんが、項目の数と種類が増え、階層構造が深く広がっていくと、見つけ出すのも一苦労です。
では、「ブックカタリスト」というキーワードで全文検索をかけたらどうなるでしょうか。当然その検索結果には見つけ出したいメモも含まれているでしょうが、それ以外の情報(タスク、スケジュール、アイデア)なども一切合切含まれてしまいます。その大量の情報の中から目的のものを見つけ出すのもやっぱり一苦労です。
Cosenseだと、そうした問題はまるっと消えます。
画面上部に表示されている検索欄に「bc0」と入力したのが以下の状態。
過去のメモが一覧されながらも、一番上にちょうど探しているメモがサジェストされていることがわかります。つまり私は「bc0」という3文字を入力しただけで、目的のページを見つけることができました。従来式のような手間や面倒さは一切ありません。
注意して欲しいのは、このとき私はいわゆるメタ情報をまったく触っていないということです。プロパティーとしてフロントマターにタグ付けする、みたいなことはぜんぜんやっていません。単に、「ブックカタリストBC093用メモ」というタイトルのページを作り、それを「bc0」という検索(というかサジェスト・トリガー)で見つけ出しただけです。ややこしい話は一切ありません。
ちなみに、「bc0」ではなく「ブックカタリスト」と入力した場合はどうなるでしょうか。
一応表示はされていますが、一番下です。直近のものを見つけるならこれでも大丈夫でしょうが、少し前の回をとり出したいなら「bc0」の方が使い勝手はよいでしょう。
ページリンク(内部リンク)
上記はダイレクトにページを探す出すときでしたが、何かのページを書いているときに別のページを探したくなるときもあるでしょう。
そうしたときは、ともかくリンクを作ることです。
たとえば、あるページを書いているときに「Johnny.Decimal」というページを引っ張り出したくなったとしましょう。そうしたとき、[
を入力してブラケットをひらき、取り出したいページのタイトルのどこか一部を入力します。私は「Decimal」という単語が印象的でよく覚えていたので、「Dec」とタイプしました。
見事に探しているページがサジェストされています。ここでも「Dec」を入力するだけで、探しているページが見つけられている点に注目してください。階層も経由していなければ、全文検索も経由していません。さらにタグなどのメタ情報も皆無です。
ただ、タイトルだけで見つける。
そういう所作が可能になっています。
リンクを辿る
仮に上のようにリンクを張っていると、次のような思い出し方ができます。
「タイトルが思い出せないけど、確かデジタルノートに関することで、Johnny.Decimalに言及していたはず」
こういう形で思い出せたならば、「Johnny.Decimal」ページを開き、下までスクロールすれば、
見事に求めているページと出会えます。
これは関連性によって情報をたぐっているわけですが、よくよく注意してみると、「私の脳に思い浮かぶ連想性」によって情報をたぐっているとも言えます。
で、情報を思い出そうとする主体は「私」なわけで、私の連想ネットワークに沿って情報をたぐり寄せられるのは Feel so good なわけです。
Pin
上記の二つで、基本的にはだいたいカバーできるのですが、
毎日のように参照するページを毎回見つけるのは手間
ページが存在することを思い出したい
という用途においては、Pin留めの機能が役立ちます。
Pin留めしたいページのメニューから「Pin at home」を選べば、
以下のようにHome画面に固定表示されます(ページアイコンの右上がちょっと折られているのがPinされたページです)。
しょっちゅう参照するページか、自分に「思い出させたい」ページなどをPinしておけば快適度がアップします。
ちなみに、Pinするページを増やし過ぎると、だんだん目に入らなくなってくるので注意が必要です。その際は、すでにPinしてあるページにリンクを貼り、そのリンク経由でページにアクセスする段取りを整えたほうがよいでしょう。
ほどほどの手間で
びっくりすることに、ただこれだけでのことで必要な情報にだいたいアクセスできるようになります。つまり、「情報整理」が出来てしまうのです。
ただし、こうしたやり方が機能するのは、ページのタイトルを「うまく」つけているから、という点には注意してください。言い換えれば、自分が思い出せる形でタイトルをつけられているから、そのタイトルでページを引き出せるのです。
このタイトルつけは慣れるまでは結構たいへんかもしれません。それに比べれば、階層型の管理はそこまでネーミングに神経を使わなくても、「位置的」に情報を探せるメリットがあります。小規模の情報管理なら、そちらの方が手早いかもしれません。
逆に言えば、大規模な情報を扱うならば、構造の整合性をケアする手間が増えてくるので、その場合は一つひとつのノートのタイトルにケアした方が合理的であるとは言えそうです。
では、仮にこうした情報整理を採用した場合、「階層」というものがまったく不要になるのか。それについてはまた別の回で考えてみましょう。
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