Capacitiesでは、動的ではなく静的な「オブジェクト」を扱うのがいい感じなのですが、そうしたものの筆頭に「物」がありました。家具とか楽器とか、そういうリアルなもの。
そうしたグッズを収集するのはCapacitiesにすごく向いているのですが、逆にそういうカテゴリにどんな名前を与えたらいいのだろうか、とも悩みました。
たとえば「家具」とか「楽器」というレベルでtypeを与えていけばかなりの数のタイプが生成されてしまうことは容易に推測できます。最初はよくてもあとで困るタイプの整理方式です。できれば、包括的なカテゴリを一つ置いておきたい。
そこで暫定的に「Items/Item」という項目を作りました。安直です。そこに品々を並べて、「家具」などのコレクションを作って整理していたのですが、しばらく使っていると微妙になんか違うな〜という感じが出てきました。そういう違和感を見逃さないのが大切です。
何が問題なのかと考えたときに、「Items/Item」という言い方があまにも漠然としていることです。言い換えれば、この文字列を見たときに、私の中に想起するイメージがまったくありません。それはつまり、適切にオブジェクトが定義できていないことを意味します。
というわけで、いろいろ考えていたところ、「Items/Item」に並んでいる項目のすべてが「写真つき」だということに気がつきました。なにせ「物」そのものはCapacitiesというデジタルツールに突っ込めないわけですから、写真を残すしかありません。
そこで考えました。思考実験です。
「これを文字情報だけで残すとしたら、自分は嬉しく思うだろうか」
たとえば、「キリン一番搾りとりたてホップ」というタイトルのページがあり、そこに感想だけが書いてあるものがあるとして、そういうのを並べて自分は楽しいと思うかといえば、高い確率でノーだという感じがしてきます。逆に、写真だけあってテキストが何も付与されていないページがあってもぜんぜん気になりません。
「もしかして、これは写真を集めているのではないか?」
そんな仮説が導かれました。
他のタイプとの関係
私のCapacitiesには、「Drafts/Draft」というオブジェクトのタイプがあります。
媒体に関係なく「書き終えた原稿」を保存しておくための場所です。アナログで例えるならば、使用済みの原稿用紙が集まっているような場所です。
これと同じ感覚で捉えると、「買ったもの」のような品々が並んでいるタイプは少し位相がズレている感じがします。それよりも「写真」が並んでいる方がずっと整合的です(と私が感じるということです)。
Photos
というわけで、「Items/Item」というタイプを「Photos/Phote」という名前にリネームしました。
基本的には名前を変えただけです。コレクションは「買ったもの、食べ物・飲み物、風景・文房具」の四つがあります。私が撮影する写真は基本的にこれが9割を占めているので問題ありませんし、別の写真を撮るようになったらコレクションを増やせばよいでしょう。
こんな感じで、自分でつくったオブジェクトのタイプでも、使ってみたらしっくりこなかった、みたいなことはよくあります。自分の認識と、自分の名づけを適合させるのは思っているよりも難しいのです。
だからまあ、とりあえず作り、使いながら感触を確かめて、ぼちぼち最適化させていくのが一番です。最初から「決定稿」を作ろうと意気込みを燃やさないほうが、むしろ長期的に見てうまくいくと思います。