アプリの起動を生成AIにお願いしたらどうなるか
エージェント層という提案
たとえば、画像ファイル作成の作業をするために、Photoshopを起動したとしますよね。実際のアプリはなんでもいいです。あくまでイメージ。
そういうときに、そのアプリのアイコンとかをダブルクリックして起動し、そのまま作業に入ることになります。ごく普通のパソコンの感じですね。
問題は、そこに「メモ」が置けないことです。「たとえば、このアプリで保存するときは、解像度を72よりも大きくしておかないと、指定されている要件を満たさない」とか「保存する前にレイヤーを設定し、名前をつけておく」みたいな作業するときにぜひとも思い出しておきたいことってありますよね。もっと単純に「前回はステップ3まで進めたので、次はステップ4から」とかでもいいです。
使うツールがテキストエディタやノートツールであれば、こうしたメモを残すのは簡単なのですが、それ以外のアプリケーションはかなり難しいか、不可能なことすらあります。
そうなると、あるアプリケーションを起動したときに、同時にそのメモが残してあるファイルをテキストエディタを開く必要があるわけですが、はっきりいって面倒ですし、そもそも「メモがあるファイルに保存されている」ことを覚えている保証もありません。
よくパソコンで作業しながら、アナログノートを一緒に使っている方がいらっしゃいますが、運用としては上記のような「メモ」をアナログノートで扱っているのではないかと推測します。
で、です。
現状は、アプリケーションの起動は、そのアイコンをクリック or ダブルクリックする形が一般的です。コマンドラインで実行する場合もあるかもしれません。どの場合でも、基本的に「一動作、一アプリ」となっています。これが問題なわけです。
もちろん、パソコンはプログラムが使えるので、「このコマンドを実行したら、作業用のアプリケーションを起動しつつ、同時にメモのテキストファイルも開く」という動作としてまとめることは可能です。が、普通に考えていちいち設定して回るのは面倒ですね。
ここで生成AIです。
ターミナル上で動く生成AIは、コマンドの実行が可能です。わざわざパッケージでまとめなくても、「ユーザーが、画像ファイル作成作業を始めるといったら、Photoshopアプリを立ち上げつつ、同時にメモファイルも開く」という動作を順次行ってくれます。あるいは、メモファイルの内容を読み込んで、ターミナルに表示してくれるかもしれません。その方が秘書っぽいですね。
「画像ファイル作成作業をはじめるよ」
「かしこまりました。マスター。アプリケーションを起動します。前回(2026年04月05日15:23)は、背景となるレイヤーの色を決定し、ロゴのフォントの候補を三パターンあげられました。今回の作業はフォントの決定から行うことと引き継ぎ書には書かれています」
「ありがとう。作業を開始するからタイマーをセットして」
「では、タイマーを開始します。ご武運を」
なんかいい感じじゃありませんか。まあ、未来の時代で人間が手を動かして作業する必要性がどれだけ残っているのかはさておき、パソコンで作業するときに「メモ」が活きにくい構造はこの形でかなりフォローできるのではないかと思います。
(ちなみに、『アリスの物語』のイメージです。)
ようは、これまで直にくっついていた「ユーザ」と「アプリケーションの起動」の間に、一つの層(エージェント層)を加える形ですね。
『アリスの物語』を書いたときは、ぜんぜん空想レベルの話でしたが、2026年では普通に実現可能になっています。その事実に驚かされます。
私も今、このニュースレターの記事を書こうと思って、ブラウザで投稿ページを立ち上げ、ネタを書き留めてあるノートを開く、という2ステップを自分で行ったわけですが、それが依頼一発で整うなら、作業は実にスムーズに進むと思います。ついでに「最近書いた記事の一覧」とかが出てくればもっとベストで、そういうことも可能です。
で、生成AIが書き留めたメモを提示してくれるなら、それはインターフェースということであり、つまり「私にとって」のノートツールでもある、ということになります。
これはパーソナルコンピューティングにおける新しい「文法」になることでしょう。


