ツール+仕事術という構図
「Obsidian仕事術」という響き、とても良いですね。
基本的にツールはさまざまな使い方ができます。電子的な汎用情報ツールならなおさらです。
とは言え、「このツールはこういうことが得意」という特徴は厳然としてあります。逆に「このツールはこういうことが苦手」という特徴もあるでしょう。
たとえば、アウトライナーで家計簿をつけるのは不可能ではないせよ使い勝手がよいとはとてもいえないでしょうし、Notionをお絵描きツールとして使うのも無理がありそうです。
ツールには傾向がある。
それを考えると、その傾向を生かした使い方というのがあり、その延長線上にツールを活かした「仕事術」が位置します。「Obsidian仕事術」もおそらくそういったものになるのでしょう。
たとえば、アウトライナー、特にプロセス型アウトライナーの極北たるWorkFlowyで仕事を進めるならば、それは「渾然一体」という言葉がピッタリとなるでしょう。すべてを一つのアウトラインに集め、自由にその視点を切り替えながら、作業を進めて行く。メモがタスクに転じ、タスクがメモに変じる。それぞれの項目は、常に越境を可能性として秘めながら、ボトムアップからの構造的変化が許容されている。そのような視点を持った仕事の進め方になるわけです。
あくまで想像ですが、「Obsidian仕事術」はそれよりももっとオブジェクトっぽいもの(あるいはアトミックなもの)になるのでしょう。
これらには別に正否はありません。優劣や貴賎もありません。単に自分の感覚にマッチしているかどうかがだけがあります。言い換えれば、使用者たるあなたが、この世界をどう認識・把握し、どのような知的操作の傾向を持っているのかによって、適切さが変動してくるだけです。
だからこそ、私たちはツールを選びます。唯一絶対の正解ではなく、「自分にとっての最適解」と呼べるツールを見つけ出すのです。
その意味で、ここまでツールの選択肢がある現代はたいへん幸福なものでしょう。もちろん、選択肢が多すぎる悩みもありますが、それでも皆がプロンプトと格闘する以外に選択肢がない、という状況よりはずっと幸福だと感じます。