元の木阿弥にならないために

「0025 : 今日から仕事に復帰しました」への返信

0025 : 今日から仕事に復帰しましたへの返信


メール拝見しました。無事お仕事に復帰されたとのことで、嬉しく思っています。

今回は、私の「がんばらない施策」について少し書いてみたいと思います。

少し復調してきたとき、私は「絶対にがんばらないようにしよう」と決めました。自分の性格はよくわかっています。何もせき止めるものがなければ、一日中パソコンに向かい、興味あることにさまざま手を出し、プロジェクトリストが溢れ返ることは目に見えています。

原理的に考えて、以前の状態そのままに戻ることは賢い選択ではありません。なにせその状態が、不調を呼び込んだのです。「そのまま」戻ったのでは、いつか同じことが繰り返されるのは目に見えています。だから、何かを変える必要があります。「絶対にがんばらないようにしよう」と私が決めたのはそのためです。

週に一度はかならず作業しない日を作り、一日で着手するプロジェクトもそれまでの3つから1つに減らしました。最低限の進捗も2,000字から1,000字に減らしました。心のどこかでは、「もっとできるのに」とか「もっとがんばった方がいいのでは」という声がしています。自分の仕事量がそのまま収入に跳ね返ってくる自営業ならなおさらです。

しかし、その「もっとできるのに」を何のブレーキも持たず肯定していけば、やがては「そのまま」に戻ってしまうでしょう。なにせ、どこで止めればいいのかの指針がないのです。「あとちょっと、あとちょっと」を繰り返して、やがては元の状態にもどり、そして木阿弥がやってきます。

もし自分でどこで止めればいいのか、というちょうどよい線引きができる人間であるならば、そもそも不調になることはなかったでしょう。私は「自分が無理してしまう人間だ」と信頼しています。だからこそ、「絶対にがんばらないようにしよう」と決めました。積極的に「やらない」と決めたのです。

これがもし消極的なものであるならば(「できれば無理しないようにしたい」)、そんな思いはあっさりと押しつぶされてしまうでしょう。それくらい自分は容易く無理をしてしまう人間なのです。だから、歯を食いしばって(というのは少々大げさですが)、無理しないことを決めました。むしろ「今は、がんばらないことが自分の仕事である」と認識を切り替えたのです。

ともかく大切なのは、何かを変えることです。原理的に考えて、以前の状態にそっくりそのまま戻れば、そっくりそのまま同じ結果が訪れる可能性は急激に高まります。多少遅れたりすることはあるかもしれませんが、根本的な状況が変わっていないなら後先の問題でしかありません。

だから、何かを変える必要があります。私はがんばらないことに加えて、できるだけ負荷が小さくなる執筆のスタイルも構築しました(バザール執筆法と言います)。そこまで手の込んだことをやって、はじめて「以前とは違う」状態に持っていけたと今は感じています。

しかし、油断は大敵です。防護柵がなければ、あのマインドセット(「もっとがんばろう」)がいつでもやってきます。ご存知の通り、この「もっと」には際限がなく、際限のないものはいつしかキャパを超えてまで広がってしまいます。気をつけたいところです。

倉下