Evernoteを整理(pruning)していたら、2020年のカレンダーノートを見つけました。長く使っているデジタルノートだとアナログノートのような「発掘」があるのが面白いところです。
こんな感じのノート。
一ヶ月分の表組みがあり、それぞれのマスに日付ページ(デイリーページ)へのリンクがあります。
何かの数値が記録されていますが、今となっては何の数値なのかぜんぜんわかりません。しかもところどころ歯抜けです。この時期は体調的にけっこうキツい状態だったので毎日記録することすら難しかったのでしょう。
で、その下には本のリストがありました。
買った本のリストで、こちらもそれぞれの書籍ページへのリンクが並んでいます。読み終えた本には、横に絵文字でチェックマークを付与。これはノートのタイトルを変更しているのではなく、単にこのリストの文字列として書き加えています。
こんな感じで、表組みとリストとリンクを使うだけで、簡単な手帳の代わりくらいにはなる、というのがデジタルノートの面白いところなのですが、本題はそこではありません。
このノートは「2020年総合カレンダー」と名づけられているように一月分だけでなく、十二月までのカレンダーが載っています。で、たとえば5月くらいだと、
こんな感じで曜日を示す行が増えてちょっとかっこよさがアップしていますね。最初に12ヶ月分作ったのではなく、毎月新しく作っていたのでそのときどきで「バージョンアップ」しているわけです。
他にもカレンダーと購入本リストの間に「3 targets」なんて項目が増えています。その月の三つの目標、みたいな感じでしょうか。
そんな感じで、月が進むにつれどんどんバージョンアップしていくのかと思いきや、9月のカレンダーはこうなっています。
縦横の表組みだったのが、一列の形式に変更されていますね。購入した本も別のリストではなく統合されて、「いつ買ったか」がわかるようになりました。表組みの形からくらべると大幅な変化です。
これが11月になると、こうなります。
9月のときは日付一つひとつをマス目で区切っていたのに、11月では1つのマスに放り込まれています。で、買った本の情報などは一切ありません。面倒になっていることがよくわかります。
現在の知見から言えるのは、「何かしらの数値を記入する」ことをしなくなったので、だんだんこのカレンダーページを開く回数が減り、それが心理的なコミットメントを減少させるに至った、ということでしょう。
じゃあ、それがよくない結果だったのかと言えば、そういうわけでもありません。1月のときの自分にはそうして数値を入力していくことが生活を維持するために必要だと感じられていたのでしょうし、9月の時点ではそうではなくなっていたのでしょう。
私が「手法を進化させる」と言っているのは、こういうことを含んでの意味です。つまり、ここでの「進化」は「進歩」を意味していません。不要になったら、そのやり方は止めるという「適応」が意味されています。
そうした適応を行うためには、やはり「ずっと同じものを使い回す」という発想ではなく、細かく作り替えていく、新しく作り直していく、というアプローチが必要でしょう。